支部長挨拶

関東支部支部長 慶應義塾大学 大宮正毅

日本材料学会関東支部の支部長として一言ご挨拶させていただきます.
 日本材料学会には26分野の部門委員会があり,それぞれ「材料学」に関する専門的な学術の発展,技術の向上を目指して活動しております.一方,各地域には支部が設けられており,会員同士の交流,「材料学」の普及,人材育成を目指して活動しております.おそらく,多くの方々が日本材料学会へ入会する(した)きっかけは,部門委員会への活動参加,あるいは学術講演会での研究成果発表ではないでしょうか.支部があることは知っているが,支部の活動内容,どうすれば参加できるかなど,よくわからないといった声を耳にします(私自身もかつてはそうでした...)ので,この場を借りて活動内容について紹介させていただきます.
 関東支部では,特に次世代を担う若手の研究者,あるいは修士課程や博士課程の学生が活躍できるような場として,毎年『学生研究交流会』を開催しています.関東支部に所属する多くの学生に参加していただき,口頭発表,ポスター発表を通して知的交流をはかり,最後は懇親会で交流を深めるという場となっております.また,特別講演として若手研究者や企業の若手技術者から講演を頂いております.残念ながら,ここ数年はコロナ禍で懇親会は実施できておりませんが,それでも多くの学生に参加いただき,特にポスター発表の場で,学生同士がディスカッションする場面が多々見られます.参加した学生からは,○○さんの研究は自分の研究に近く,色々と教えてもらい非常に勉強になった,△△さんのポスターは見やすく配置されとても参考になったなど,大いに刺激を受けているようです.優秀な講演やポスタープレゼンテーションには表彰が行われ,学生や参加者の投票で受賞者が決定されます.
 このほかに若手の研究者の支援を目的とした「若手研究者活動賞」があります.とくに,関東支部の活動や材料学会での活動状況,あるいはそれ以外の研究状況などを基準にして,数名の方を表彰しております.受賞された方々には『学生研究交流会』で講演していただき,現在の業務,学生時代の経験,学会発表のすすめなどを紹介していただいております.学生も年代の近い先輩からの話は非常に熱心に聞いており,自分の将来を考えるきっかけとなってくれているものと思います.そして,そのまま日本材料学会で活動し,「若手研究者活動賞」を目指してくれる学生が出てくることを期待しています.
 その他,材料学に関する知見を深めるための講演会,最近はコロナ禍で実施が難しいですが各種見学会などの催しも企画しております.他団体でも同様な企画は多々ありますが,材料学の切り口からオリジナリティが出せるような企画を検討してまいりたいと思いますので,ぜひ一度ご参加いただければと思います.また,講演会については,オンライン開催も行っておりますので,ぜひ一度覗いてみていただけると幸いです.
 このような活動を通じて,多くの方に日本材料学会の魅力を感じていただければと考えておりますので,皆様の積極的な学会活動への参加と,ご支援,ご協力をお願い申し上げます.
2022年11月